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2003-07-12

_ ひとつしか選べないならそのわけをぼくに聞いても荷が重すぎる

今日は体育でテニスをしました。3時間も炎天下のコートに立っていたのでよく日に焼けました。

「なんでテニスなの?」

「テニスはラケットを使うスポーツですから、ラケットという道具の扱いに習熟することが上達の大きなポイントです。目標となるのは、ラケットが腕の一部だと感じるほど自在に扱えるようになることです。つまりラケットを振り球を打つという認知的な経験を積み重ねてゆき、身体知とでもいうべきものが蓄積されてゆくたび、確実に上達の快感を得られるからです」

「テニスを純粋に楽しんでないよね」

(巻き戻し)

「なんでテニスなの?」

「テニス楽しいよー、ラケットでボールをひっぱたくときの快感がたまらなくてさー、サービスエースなんか決まったら鳥肌たつね、マジで」

「テニス好きなんだねー」

(巻き戻し)

「なんでテニスなの?」

「体育の単位とんなきゃいけないんだけど、ラクなの予約できなくて、まぁテニスなら楽しいからいいかなっつーか。大学生っぽいのもいいよね、せっかく大学生になったんだから大学生っぽいことしたいじゃない?」

「んなかんじだよね」

(巻き戻し)

「なんでテニスなの?」

(どれがいいんだ?)

「ねぇ、なんで?」

「……金星が獅子宮と処女宮の境界線上にあって、水星と120度の角度になってたから、テニスがいいみたいで」

「……ふーん」

(巻き戻し)

「なんでテニスなの?」

「どれがいい?」

「え?」

「理由」

「どれって」

「いや、どれでもいいからさ」

「……どうでもいいわけね」

「てわけでもないんだけど、わかんないから」

「聞かなきゃよかった」

「かもね」

「ね」