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20020802 Fri

 さて、休みに入ってからも学期の頭が抜けきらず、あまり休めてない日々。というよりも、普段からそもそも休み/労働という区別があまりないのであって、だから疲れるのである。時間には強弱をつけましょう。ヘビーなのとゆるーいのを。

 明日は松尾スズキ作・演出『業音』をゲットするため、早起きせねば。

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20020803 Sat

 少年ジャンプが全米で刊行されるそうですね。「SHONEN JUMP」だって。しかも記事によると、原稿を左右反転せず、右上から左下に進む日本のスタイルそのままで売るらしい。いままでマンガが海外へ輸出される場合には、だいたい左右を反転して刊行していたはずなのだが、この点が興味深い。かなり読みづらいんじゃないかと思うけど……。

 漢字圏やアラビア地方のものを除けば、ほとんどの言語が左から右に文字を書くわけで、輸出するとなれば左右反転をするのもうなずける。でも、そうしてしまうとオリジナルのイメージが損なわれることに加えて、デッサン力のなさが露骨に表れてしまうので、なかなかキビしそうである。むしろ、「SHONEN JUMP」が左右反転しないというのは、後者の理由のほうが大きいんじゃないかと邪推してしまったりもする。オリジナルスタイルを輸出するというタテマエを利用せざるを得ないのは「ジャンプ」だからだ、というか……何にしても、売れてくれるといいとは思うので、ちょっと注目。

 部屋をいじくってたら、岩井俊二監督『スワロウテイル』が出てきた。いつのことだか覚えてないが、買っておいたまま奥に入ってたらしい。というわけでダラッとかけておく。

 大学で話をしていると、高校時代に『スワロウテイル』を観たという経験を人生上の大きなこととして語るやつがぼちぼちいるので、「ふーむ、そうなのか」と思ったりしていた。という俺も当時はフジ深夜を見まくっており、『FRIED DRAGON FISH』をオンタイムで見てしまって「なんじゃこりゃー」とショックを受けたクチなのであるが、それほど決定的な経験になっているかというと、そうでもないような。

 高校時代に出会った作品というものは、メンタリティに決定的な影響を与えたりしがちであろう。というわけで、岩井俊二の作品を見た当時の自分はいくつだったんだろうと思い返してみると、『FRIED DRAGON FISH』が93年だからおよそ10年前、ということはしっかり高校生だったのである。高校時代に岩井作品を見てたわけね。すると、高校時代に岩井俊二の作品を見たという点で共通しているわけで、年齢説が覆された。

 ということは、その時期に出会ったものが『FRIED DRAGON FISH』か『スワロウテイル』か、という違いが作用しているのか? たしかに『スワロウテイル』のほうがじっくり重くて生々しいのであって、多いにありうる話だ。『スワロウテイル』は96年だから、ちょうど20歳。そういや当時、ハタチという言葉に実感はなかったなぁ。かなりダラダラだったし、決定的な何かへの感受性みたいなものも薄かったような気がする。何よりも、当時『スワロウテイル』を見ていない。その後ビデオは買うわけであるが、買っても見ないまま今日まで忘れてたわけだし、ついこの前、友人宅でDVD見せてもらったのが初見だったくらいで、当時はあまり岩井作品を見るムードじゃなかったんだろう。というのも、『FRIED DRAGON FISH』から『スワロウテイル』までの間に、『ifもしも〜打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』の再放送(本放送は見てなかった)や『Love Letter』を見ていたので、岩井俊二への興味は薄れていたような……あまりにブレイクしてしまった岩井俊二へのセンチメンタルみたいなものも、こっそり作用してたような気がするけど。

 ……と、『スワロウテイル』を見たことからこれだけ岩井俊二を語ってしまっている自分は、やっぱり決定的な影響を受けていたのかもしれないと、今さらながらに気がついたりする。高校時代って大きいのね。公式WEBを見てたら、まだ観てない『リリイ・シュシュのすべて』のDVDが欲しくなってきてしまった。限定版が残ってたらちょっと考えるなぁ……。

 最近、今まで触れてきたものの年号をよく気にするようになっている自分に気がつきます。昔の記憶が薄れはじめる年齢であり、外部の記録に頼らないと再構成がおぼつかないというわけですね。だから悲しいかというとそうでもないけど、せつなくはあるかも。というわけで、テレビ放送などのタイミングは田沼さんDEIさんのページを参考にしました。

本日のツッコミ(全6件) [ツッコミを入れる]

# ジャプソ編集部 『ご注目いただき、ありがとうございます。英語版少年ジャンプ「SHONEN JUMP」は、弊社の現地スタッフが、http://www.pulp-mag.com/ を廃刊にしてまで、決死の覚悟で発売するものですので、なにとぞよしなにおねがいします。1冊5ドルの価格は、日本版2冊以上の価格に相当しますが、その分、萌えな絵で提供したいと思います。ていうか、汚いマンガを載せないでなにがジャンプかと小一時間(以下略』
# マス『タイに行った時にジャンプ売っていた気が・・・』
# cu39『PULPについては初耳でした。しかし、PULPのラインナップはあまりにいただけません。マンガオタクを狙ったのでしょうが、それにしても数がのぞめなさそうなものばかり……今回、少年へとターゲットを向けたのは正解ではないかと思います。最近、ジャンプで読んでいるのはワンピースとハンター×ハンターとナルトとヒカルの碁だけであり、新ジャンプに適応できているのです。ご健闘を祈ります。』
# ジャプソ編集部 『いいなあ。高校時代に岩井俊二って。オレなんか、手塚真の『星くず兄弟の伝説』とか『妖怪天国』くらいだよ。15年前の日本映画界は、ホントに死んでたなあ。林海象が出てきたくらいで、オレは嫌いなので、不毛な時期でしたわ。PULPにしても、SHONEN JUMPにしても、あたんないんじゃねーの? ってのが正直な予測です。単行本売った方があがりはよさげ。』
# cu39 『92〜95年くらいのテレビはおもしろかったですね、たしかに。バブル最後のひと花、みたいな。当時テレビやってた人というと、本広克行とかも挙げられるかも。 アメリカに短期ホームステイしてたという友人が、現地の学生にドラゴンボールを知ってるやつが多くて、共通の話題がそれだけだったとかいってたので、イケるかもしれないと思うんですが。悟空は最初からスーパーサイヤ人らしいですね。』
# cu39 『むこうでは6月にSHONEN JUMP発売が報道されてた模様→http://www.nypost.com/business/49899.htm』


20020805 Mon

 『私立探偵 濱マイク』第6話「名前のない森」、演出は青山真治。今日の濱マイクは、山奥の怪しげな療養所に行ってしまった娘を取り戻してほしい、という依頼を受け、その療養所に向かう。そこでは、怪しげな「先生」という女性(鈴木京香)のもとに目の死んだ人々が集まっており、世俗での名前を捨ててお互いを番号で呼び合っている。彼らは「やりたいこと」をみつけるために「療養」しているのだが、ここを出るのは、「やりたいこと」がみつかったとき。だが、その「やりたいこと」とは、時に人を殺すことであったり、自殺であったりもする。そして、潜入したマイクの「やりたいこと」も問われることになるのだが……。

 自分はわりと「難解」といわれる作品に寛容なほうだと思うのだが、難解なものにも許せるものと許せないものがあるというか、難解さにもつまらないものとおもしろいものがある。それは「わかりやすい」といわれるものについても変わらないのではあるが。

 で、今日のは難解さが悪い方に転がっていたと思う。途中までの引っぱりはとてもよかったのだが、オチは「どーなのそれ?」といったものだった。「やりたいことが云々」という主題もどーかなーと思ったし、要するに全体的にどーかなーというカンジだった。何いってるのかわかりませんが、ネタバレ回避で。

 来週は岩松了(「私生活」)なので見ないといけない。が、石井總亙(「時よとまれ、きみは美しい」)がぜったいバトルものをやってくれるはずなので、個人的に期待大。強いライバルー。あーでも、『エンジェルダスト』みたいなことになってしまうと青山真治とかぶりそうだ。

 んで、このあたりで調べてたら、今回のやつはDVDでディレクターズカット版になるらしいとの情報が。つまり、本当はもっと長い作品なんだけど、テレビ用に編集してあるわけね。2chには「TVの視聴者なめとんか」的な発言もあったけど、それももっともかと……。

 実況スレのほうには「(黒沢清の)カリスマっぽい」とツッコミまれてたけど、かなり妥当かも。木だしな。

 ちなみに、「濱マ」という略称が使われてたりするようだが、「あやや」みたいでちょっとイヤだ。使いたいけど。

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20020807 Wed

 お盆休みがあるのでバイト代が一週間前倒しで振り込まれたことや、ゼミにおける「フランス語やれプレッシャー」に押されていること、さらに劇場で観たのが面白かったこともあって、ジャン=ピエール・ジュネ監督『アメリ』DVDを購入。「アメリ缶」ではなく、通常版。夏の間にヘビーローテーションさせなくては。

 DVDを買うとなると、話が面白いだけでなく、見てて目が楽しいかどうかを考えてしまうのが正直なところ。あとは英語用のBGVがほしいとこだ……このあたりを考え中。って、言ったそばからモノクロだけど、そういうこともある。

 本を読むには能動的にならないといけないし、時間を占拠されることもあって、受動的なままでもいられるテレビとか映画の多い日々。

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20020809 Fri

 ここしばらくの間、CD-Rが書き込みできない状態になっていた。ソフトから書き込みを指示すると、テストまではうまくいくのだが、実際に書き込みを始めたとたんに失敗する。

 これはドライブの寿命がきたものと判断し、別のドライブを友人から譲ってもらったのだが、それを本体に接続しようとしたら、SCSIインターフェースがガタついているのを発見。よく調べてみると、カードをネジで本体に固定した部分が外れていてカード自体もPCIスロットから抜けかかっていた。

 なので、箱を開けてPCIスロット周りを整理して、SCSIカードもきちんと刺し直した。で、PCを起動して書き込みテスト。新しいドライブでの書き込みは問題なく終了して、一安心。だが、ふとよぎる嫌な予感。

 「今までの書き込みエラーも、ドライブじゃなくてインターフェイスの接触不良のせいだったのでは……?」

 恐る恐る旧ドライブで書き込みをテストしてみる――なんか、順調。テストが終わって書き込みが始まっても、エラーは出ない。そのままサックリ書き込み完了……。がく。

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20020810 Sat

 ハブが必要だったので、家電量販店がつぶれた後に入ったハードオフにはじめて行ってみた。PC関連機器とAVハード・ソフトを中心とした品揃え。残念ながらハブはひとつも置いてなかったのだが、ジャンク品をあさるのはけっこう楽しい。3DO-Realを発見するも、5000円は高いと思った。もしかしてプレミア……? あと、音楽系の中古品も並んでたが、TechnicsVestaxなどのターンテーブルが必ず2台セットで置いてあるのが、なんちゃってDJの哀愁を感じさせて趣深かった。

 結局、スピッツ「フェイクファー」を買っただけで帰ってきた。

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20020811 Sun

 様々なソフトが登場して群雄割拠の様相となっているタブブラウザ界(?)だが、いかに新しいソフトが登場しようとも、俺はずっとMoonBrowserという古めになってしまったフリーウェアを使い続けていた。理由は一点のみ、ブックマークがIEから独立しているかどうかだけだった。つまり、IE標準の「お気に入り(Favorites)」がえらく使いづらいからである。他の機能がどれだけ優れていようと、ブラウジングの快適さはブックマークに左右される。

 というわけで頑固にMoonBrowserを使い続けていたのだが、今日はじめて使ってみたMDIBrowserがとてもいいかんじだったので、移行しようかと思った。ブックマークが独自ファイルに保存されるし、さらにMoonにはなかった検索系の機能も充実しているとくれば、願ったり叶ったりである。

 あとはブックマークエディタさえついてれば完璧なんだけどなぁ。

 そういや、もう一つ独立ブックマークを持ったタブブラウザにLunascapeがあったけど、いまいち使い勝手が良くなかったので移行はしなかったのを思い出した。何度かアップデートしたみたいだし、使ってみようかな。

 在宅のバイトも進めなければいけないし読む本も誇張ではなく山ほどあるのだが、部屋にいると煙草も増えるし疲れてくる一方なので、僕は出かけなくてはならなかった。そして何かに金を使い、何かを消費してしまう。こうして経済は回っているのだ。もし創造主というものが存在するとすれば、人間は自然と経済を回すように設計されたのかもしれなかった。しかしまったくそうではないかもしれなかった。

 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』進行中。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# cu39 『MDIBrowserで決定かと思っていたら、Sleipnir(http://www20.pos.to/~sleipnir/)もかなりいいかんじであることが判明し、迷い中。』


20020812 Mon

『リリイ・シュシュのすべて』

 ツタヤからカード更新のお知らせが届いていた。「サービス」と称するポイントが2点あり、1点は更新料が無料になるというもので、いまは入会金も無料なんだから当然といえば当然なのだが、もう一方はビデオかDVDが一本無料で借りられるというものだったので、さっそく出向くことにした。このまえ『スワロウテイル』を見て、「岩井俊二と俺」に思いをはせてからずっと『リリイ・シュシュのすべて』が見たかったんである。

 きっつい。これはきっつい。この人の作品はストーリー云々ではなく、とにかく世界観というか空気というか、おそらくは画面の作り方の問題が大きいのだと思われるが、とにかくそういった部分が語りはじめる、またはそこからかもし出されてくる。で、今回かもし出てくるのは閉塞感。ときには圧迫してくるが、決してとどめは刺されない。逃げようとしても、外に出ることはできない。否定も肯定もクソもない。泣いたって叫んだって同じ。

 なんでこの人メジャーなんだろう。って、メジャーじゃないか? とにかく、『四月物語』と『リリイ・シュシュのすべて』を一人で撮れてしまうというのはけっこうすごい。どっかがおかしいのかもしれない。

 DVDはどうしようかなぁ。限定版はぼちぼち残っているようだ(内容を考えれば納得)。わりとほしいけど、もう一度見たいかというと、これはけっこうきつい。

 aiko「今度までには」とfra-foa「消えない夜に」がヘビーローテーション。「フライングすぎ」なんてツッコミはナシだぜベイベー。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# マス 『フライングすぎ』
# 王子 『チョーフライングすぎ。』


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