以下、「おまえにハートブレイク・オーバードライブ」からの孫引き。
K・Kさん(註:作者のこと)の部屋のテレビで、日の丸が放送終了を告げている。と、一転して「いいとも」に。動作を短く繰り返すといった技術を駆使した後、焼け野原が現れ、玉音放送が重なる。タモリさんが終戦直後に生まれ、米国文化に親しんだことを示し、マッカーサーの顔がサングラスだけ残して同氏に変わる場面も。放送された発言を巧みにつなぎ、テレビから問いかける仕立てを経て、K・Kさんが番組収録地である新宿に向かう——。
大西若人「最高作なのに非公開 なぜ」(朝日新聞 朝刊 9月25日)
こうして『ワラッテイイトモ、』は、彼がひきこもっていたという八王子の自宅と新宿アルタ前を往復しながら、赤塚不二夫とタモリとの人形劇や、『笑っていいとも!』に登場するゲストたちの画像に対する容赦なき切り刻みとイメージ変形を通じて、一種、異様な雰囲気をつのらせていく。
椹木野衣「このうすら寒い夏の正午に」(「群像」9月号)
僕は、ひきこもっていたという作者が「笑っていいとも!」を端緒にしたという、まずはその一点だけのために、この作品を見てみたい。日本におけるひきこもりという問題にとって、「笑っていいとも!」ほど象徴的なものはないのだ、本当に。現実を目の前にして大きく映るのは、戦後民主主義よりも正午のタモリだ。
というわけで、根本敬式に3度唱えてみることにする。
友人からのタレコミ経由。こういう「苦情」があるのは知ってても、具体的に見たことなかった。リンクしたページは、特にバラエティ番組に対して青少年への影響を心配してる意見が多いんだけど、中高年に混じって20代や10代まで「青少年に悪影響がある」と断言してます。おまえはどうなんだと。
かといってテレビを擁護する気になるわけでもないんですが、読んでるとやっぱりそこはかとないオモシロ感が漂いますね。なにがオモシロなんだろう、文体が統一されちゃってるところもあるのかな。もっと語られた通りの言葉をそのまま読んでみたい気もします、もっと面白そうだから。
特にたくさん苦情が寄せられてる「実在する人物の顔を便器に見立てたコント」は、「ワンナイR&R」で放送された「ジャパネットはかた」のこと→日刊スポーツ・リンク集。