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2003-06-25

_ Origami Underground

たまにはサイト名にふさわしいネタを。"Make Your Own Vagina" を教えてもらったので、いくつかキーワードをぐぐってたら到着。詳細な図解つき。

1ドル紙幣のは Master Sugoi "Pornogami" が元ネタみたいですね。マスター・スゴイって誰。

_ 白田秀彰 の 「インターネットの法と慣習」 第1回 そろそろ真面目に「法」について考えよう

「ネットワーク上の慣習とかを「法」的な角度から見てみましょう」という姿勢は興味深い。ただ、ネットワーク上のコミュニティを対象に「法」を見ようとするなら、まずはコミュニティの分布、特徴や形成プロセスなどをわかっていないといけないはずなのだが、第一回を読んでみて、その点が不安になってしまった。

第一回を読む限り、白井先生はネット上の個人レベルのコミュニケーションにそれほど詳しくないように見える。たとえば白井先生は、掲示板やMLやニューズグループやblogやその他もろもろを区別せず(できず?)に「ネットワーク上の慣習」とひとくくりにしてしまってるように見える。

あるいは、以下に引く部分ではWinMXとFTPでの交換を混同してしまっている。1:3の交換が成り立つのはサーバ・クライアント制のFTPだからこそで、P2Pと混同してしまうと、ルールの理由が見えてこなくなると思う*1

事例を挙げよう。聞いた話によると、WinMXでワレズ等をダウソするときのルールは、「1つウプしてから3つまでダウソ」ということらしい。(1) いつごろ、(2) 誰あたりがそういうことを言い出したのか。(3) そのルールの理由や根拠は? (4) その強制力は?

法的なものや慣習を扱うためには、まずそれが共有され運用されている場のことがわからなければいけないけど、あまり詳しくない人が事後的にそれを知る術は、いまのところ足りない。そういう部分の歴史はまとめられていないので、白井先生が勉強するのも大変だろう。

チャレンジそのものは興味深いので追いかけてみたいけど、自力でそれを確立しようとするならば、法律家である前に歴史家の視点を大事にしてほしいと思う。ヨーロッパの法の正当性について述べる前半でヨーロッパの共同性のあり方を述べなければならなかったように、ネットワーク上の法について述べるなら、共同体のあり方を述べることを避けられないのだ。

*1 しかし、あまりにタレコみづらいネタだ……。