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2003-02-16

_ しまった

しまった! 『海辺のカフカ』公式サイトを保存しわすれた。単行本にする予定といってるけど、たぶん大幅にカットされるだろうし……しまった。

_ 最近、音楽をかけつつテレビを見ていることが増えている。声を聴かなくても、テロップさえ追っていればだいたいのことはつかめてしまうから。で、どっちが先に消されるかというと、テレビが先になりがち。うーん、なんだかなー。

_ 島本理生『リトル・バイ・リトル』

キーワード「島本理生」の需要があるらしいので、感想。読んだのは『リトル・バイ・リトル』だけですが、これはほのぼのしたドラマのほのぼの感がよく出ていると思いました。でも、そんなほのぼのの中に一瞬の緊張感があって、さすがにただの女子高生じゃないな、と思わせる場面も。軟投型のピッチャーが突然投げるストレートは剛腕ピッチャーよりも速く感じる、というような巧さがありました。

_ ギル価

Jason Whiting「リアルな経済活動が生まれつつあるオンラインゲームの世界」(Wired News)を読んで、ファイナルファンタジーXIでプチ廃人になっている友人と話をしたら、FFXIの通貨「ギル」もヤフー・オークションで取引きされていることを教えてくれた。さらには各種ゲーム通貨を扱う市場も教えてもらったけど、ここではFFXIに限定。

10万ギルが5〜8千円程度で取引きされているので、円:ギル価は ¥1:G20.0〜12.5 くらいなんだけど、この価格もサーバーによって微妙に違ったりする(FFXIはサーバーが複数あり、ある1つのサーバーで作ったキャラクターは他のサーバーに移動できない)。「古いサーバーほど通貨流通量が増えるため、通貨価値は下がる」という現象は、ここでも同じということか。

友人の話だと、同じFFXI内のアイテムでもサーバーの新旧によって流通価格が違うというから、かなりリアルだ。商品と貨幣の流通バランスに応じて価格も変動していくというわけだ。レベルが高くなれば、さきほどのギル売買は時給換算してもそこそこおいしい「仕事」になりうる(どれだけ売れてるのかはわからないけど)ようだし、かなり面白いと思う。

こういう動きをしっかり観察したら、FFでも経済学の論文1本くらいは書けるよなぁ。日本ではまだ評価されない気もするけど、誰かにやってほしいところ。

ネットゲームの将来的な問題としては、通貨もしくは物品の過剰供給によるデフレ or インフレが起こってしまうことだろう。アイテム数を無制限にすれば、使えるアイテムが普及しまくって全キャラクターが平均して強くなりすぎるし、アイテム数を制限すれば価格上昇が起こって貧富の差が生まれる……適切な経済政策が要るようになる。将来、オンライン・ゲーム会社は経済学者を必要とするのか? こんな「産学連携」も、いいかもしれない。

とりあえず、カストロノバ教授の論文を探してみるか……。

_ あった。SSRNTop Downloaded Authorsに入ってる。

リストでそれっぽいのは "Virtual Worlds: A First-Hand Account of Market and Society on the Cyberian Frontier" と "On Virtual Economies" だけど、Download Document をクリックするとどっちも同じ論文が出るから、後者が現行ってことかな? これ読むのか……ごっついなぁ。